
【元気の処方箋】
「年齢のせい」と諦めないで 過活動膀胱(ぼうこう)
| トイレに頻繁に行きたくなる、尿漏れするなどの悩みは人に相談しにくいもの。不快な症状が改善すれば、日々をもっと楽しく過ごせるはずです。今回は、そんな悩みの原因となる「過活動膀胱」についてお伝えします。 (編集=坂本ミオ イラスト=はしもとあさこ) |
| 執筆者 |
熊本大学病院泌尿器科 |
| 日常生活を制限していませんか? |
「さっきトイレに行ったばかりなのに…」「急にトイレに行きたくなって、我慢できずに漏れそうになる」―。こうした尿のトラブルに悩まされていませんか。「年齢のせいだから」「恥ずかしくて誰にも言えない」と、外出を控えたり、水分を極端に減らしたり、日常生活を制限している方は少なくありません。 |
| 過活動膀胱とはー男女共に多い身近な病気 |
過活動膀胱とは、急に起こる我慢できないような強い尿意(尿意切迫感)を主な症状とする症候群です。 |
| 症状と原因ー急に起きる我慢できない尿意 |
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過活動膀胱で最も重要な症状が、先に述べた「尿意切迫感」です。この「急に起きる我慢するのが難しい強い尿意」に加え、頻尿(昼間に8回以上)、夜間頻尿(夜間に1回以上)、切迫性尿失禁(強い尿意を我慢できずに漏れる)などの症状を伴います。 |
| 診断と治療ー行動療法、体操、薬物療法が有効 |
まず問診や簡単な質問票を使って症状を把握します。尿検査や超音波検査で、膀胱炎や尿路結石、前立腺肥大症、がんなど、泌尿器系の器質的疾患の存在が除外されれば、過活動膀胱と診断されます。 |
(2)と(3)を1セットとして、1日数回に分けて5セット程度行います。 |
骨盤底筋は、骨盤の底にハンモック状に広がっている筋肉群で、膀胱、子宮、直腸など、骨盤内にある臓器を支えています。
薬物療法では主に、膀胱の過剰な収縮を抑え尿をためやすくする「抗コリン薬」や「β3作動薬」が使われます。近年は、口の渇きや便秘などの副作用が少ない新しいタイプの薬も登場し、患者さんの体質に合わせて選べるようになりました。 |
| [CHECK!]「難治性過活動膀胱」に専門治療ーボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法 |
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法(図3)
薬物療法を12週間続けても頻尿や尿失禁が改善しないケースを「難治性過活動膀胱」と呼びます。かつては諦めざるを得ないこともありましたが、現在は効果的な二つの専門治療が普及しています。 |
| 仙骨神経刺激療法(SNM) |
仙骨神経刺激療法(SNM)(図4)
いわば「膀胱のペースメーカー」ともいえる治療法です。排尿に関わるお尻の神経(仙骨神経)の近くに小さな電気刺激装置を植え込み、微弱な電気を流し続けます。これにより脳と膀胱間の乱れた神経信号を整え、膀胱の過剰な収縮を抑えます。 |
| おわりにー快適な毎日を取り戻そう |
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過活動膀胱は、命に関わる病気ではありません。しかし、「いつ尿意が襲ってくるか分からない」という不安は、外出を妨げ、生活の質の低下につながります。今は、生活習慣の工夫から最新のボトックスやSNMに至るまで、患者さんの状況に応じた治療法があります。 |