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「あれんじ」 2020年9月5日号

【元気の処方箋】
在宅ワークやオンライン講義に取り入れよう! 休み時間エクササイズ@自宅で健やかに♪【前編】

 今年は新型コロナウイルス感染の拡大予防のため自宅や屋内で過ごす時間が増え、運動不足や腰痛、肩こりなど不調を感じる人が多いと聞きます。そこで今回は、テレワークやオンライン講義生活でも健康的に過ごすための「休み時間エクササイズ@自宅」を2回にわたって紹介します。
(取材・文=坂本ミオ)

【はじめに】 いすに座った姿勢をチェックしよう
【図1】いすに座った状態の姿勢

 通勤(学)しなくていいテレワークやオンライン講義は、移動の負担が軽減し時間が節約できますが、運動不足になるのは否めません。また、座りっぱなしになることが多い上、自宅という環境でやや緊張感なく座ることも想像でき、姿勢が気になります。

 図1の悪い椅座位(いざい=いすに座った状態の姿勢)になってはいませんか。これでは骨盤が後傾し、背骨が湾曲します。こういった姿勢で座り続けていると、立位(立った状態)の姿勢にも反映されてしまうのです。


正しい姿勢をきちんと知ろう!
【図2】良い立位姿勢

 良い立位姿勢は、横から見て、耳、肩(腕の付け根)、腰、膝、外くるぶしの5点を鉛直線(水平面と直角をなす直線)が通ります。すると背骨にS字状の湾曲ができ、骨盤がきちんと立ちます(図2)。

 姿勢を正すと体がつらいと思っている人もいますが、実は逆です。立っている時も座っている時も、良いポイントに自分の体を置けば無駄な力はいりません。楽に良い姿勢を保てるのです。

 基本は骨盤を立て、胸郭を広げること。そのための運動をお伝えします。


運動指導
理学療法学科 
副学科長九州中央リハビリテーション学院
中山 貴文さん

 同じ姿勢を長時間続けると、筋肉が硬くなるだけでなく、縮むことも分かってきました。ストレッチを取り入れて、負の循環を断ち切りましょう。


【お尻のストレッチ】片脚ずつ3〜5回繰り返す

 まずは準備体操から。骨盤と脊柱はセットになって動きます。後傾した骨盤を戻すためにまず、お尻の筋肉を軟らかくし伸ばすストレッチが重要です。

@ いすに腰掛け、片方の脚の足首を反対の脚の膝の上に乗せ、背中をまっすぐ立てる。
【チェック】背中が丸くならないように注意!

A 背筋を伸ばした姿勢を保ったまま、おへそを前に突き出すようなイメージで上体を倒す。気持ちいいと感じるところで20秒くらい静止。


【骨盤と背中の運動】 最低10回は繰り返す

 お尻のストレッチで体をリセットしたら、骨盤―背骨―肩甲骨を一緒に動かすエクササイズに挑戦。心身共に爽快感を覚えるので、休み時間にピッタリです。

@ いすに浅く座り、手は腰に。おへそをのぞき込むように背中を丸くする。

A 上体を起こす。

B 背筋を伸ばし、肩甲骨がぐっと内側に寄るように肘を後ろに引き胸を張り、3秒くらいキープ。
【チェック】肘を引く時、肩が上がらないように!


【ディープスクワットストレッチ】 3〜5回できればOK!

 時にはデスクから離れて、気分転換も兼ねたエクササイズをしましょう。ストレッチと筋力トレーニングがミックスされた運動です。痛みが出た場合はすぐにやめてください。

@ つま先を正面に肩幅よりちょっと広めに立ち、しゃがみ込む。この時、かかとが浮かないように。膝の内側に手を伸ばし、足首を握る。

A 片方の手を斜め後ろに伸ばす。目線は手を追って、体をねじる。

B 反対側も同様に行う。

C 正面を向き、両手を上に伸ばす。

D Cの姿勢のまま立ち上がる。

【チェック】
・ 姿見などで確認しながら行いましょう。
・ どこかに痛みを感じるようなら、ストップ。


教えてくれたのは
熊本大学大学院教育学研究科   
教授
熊本大学教育学部附属小学校
校長
博士(医学)
井福 裕俊 さん

・日本運動生理学会理事
・日本体力医学会理事
・日本生理学会評議員