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「すぱいす」 2025年6月号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
海や川、プール…それぞれの注意点を守ろう

海や川、プール…それぞれの注意点を守ろう

Q.「水の事故」を防ぐには

遊泳や水遊びを楽しむ機会が増える夏に心配な水の事故。2019年度から23年度までの子どもの水難者は全国で924人(うち死者・行方不明者142人)。死亡事故が起きたのは河川が57.1%と最も多く、海が21.2%、湖沼池が9.7%、用水路が7.9%、プールが3.7%となっています(警察庁のデータから)。


大人も子どももライフジャケットを

河川は場所によって深さや流れが変わります。川底の石に足を取られたり、流れで足をすくわれたりして溺れるケースが多く、ライフジャケットの装着が推奨されています。大人も必ずライフジャケットを着け、子どもが遊んでいる下流側で待機しましょう。

海では、遊泳禁止地区には行かないようにし、必ずライフガード(監視員)のいるところで遊ぶようにします。
プールでは誤った遊具使用での事故を防ぐよう、決められたルールを守ること、また、体調が優れないときには無理に泳がないことなども大事です。


万一に備え受けておきたい救命講習

万一、危険な状況が起きたらまず救急車を呼びます。水を飲んでいるなら吐かせる、低体温に陥っていれば体を温める、自発呼吸がないようなら人工呼吸、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行う―などの応急手当も必要です。いざという時に備えて、消防署で定期的に行われている救命講習を受けておくことをお勧めします。また、子どもにも、水遊びや遊泳時の注意点をきちんと伝えましょう。

幼児では特に保護者が常に注意して見ておかなければなりませんが、年長になるにつれ目が届かなくなり、子どもだけで遊んでいるときの事故が増えます。しっかりと対策し、安全に水遊びを楽しんでください。


お話を聞いたのは
熊本大学病院 新生児学寄附講座 特任教授
松本 志郎さん

年長になるにつれ増える子どもだけでの水の事故 親子でしっかり対策を