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「あれんじ」 2022年10月1日号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニックQ&A】
扁平足(へんぺいそく)

 Q.歩き始めた子どもの足の裏が平べったいのですが、大丈夫ですか。

多くは成長に伴って自然に足アーチが形成されます

◆つま先立ちなどで足底の筋肉強化を
 足は大小さまざまな28個の骨から構成され、おのおのの骨は互いに関節を形成し、それぞれに可動性を持っています。また一つ一つが靭帯(じんたい)や筋肉で支えられ、荷重による強い衝撃にも耐え得る安定した丈夫な構造をしています。
 扁平足は、これらの構造がつぶれて足アーチ(土踏まず)が低下・消失し、足底が扁平になった状態のことです。発症時期で、小児期扁平足、思春期扁平足、成人期扁平足に分類されます。
 歩き始めの時期に足の裏が平べったいのであれば、小児期扁平足の可能性が高いと考えます。ただし、幼児期は足底の脂肪が厚く、土踏まずが分かりにくいので注意が必要です。
 幼児期は足の筋肉や靭帯が十分に強くないため、足アーチをつくれずに扁平足になることがあります。多くは成長に伴って足アーチが形成され自然に改善しますが、はだしでの生活、つま先立ち、足指じゃんけんなどでの足底の筋肉の強化をお勧めします。

◆積極的治療が必要な場合も
 気を付けたいのは、扁平足が、より重大な基礎疾患(先天性垂直距骨、マルファン症候群など)に付随した所見として現れる場合があることです。これらの疾患は積極的な治療が必要です。
 幼児期扁平足の大半は特に症状はありませんが、基礎疾患のある扁平足は、歩行開始の遅れや、歩行の不安定性、姿勢の悪さなどが見られることもあります。
 検査は、重症度の判定のため立位でのレントゲン検査を行います。気になる方は、整形外科を受診して相談してください。


おぐに整形外科
院長
梅田 修二