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「あれんじ」 2020年7月4日号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
あせもと夏のスキンケア 

Q.夏になると、子どものあせもが気になります。

皮膚に汗や汚れが残らないよう 気を付けましょう

●予防が大事小まめにチェックを

 「あせも」とは、汗が汗腺の出口付近で詰まったり、一度にたくさん出ようとして皮膚の中であふれ、肌がぶつぶつになった状態です。炎症を起こして赤くなると、かゆみや痛みを伴う湿疹となります。かゆくてひっかくことで細菌に感染し、「とびひ」になることがありますので、まず予防が大事です。

 予防には、皮膚を涼しく乾燥した状態に保つことが大切です。汗をかきやすく、しかも蒸発しにくい高温多湿の環境でできやすい傾向がありますから、就寝時など室内では適切にクーラーを使用するなど環境にも注意しましょう。

 特に乳幼児では、環境が適切でも、皮膚が衣服と摩擦を起こしやすい首回りや脇などにはよくあせもができます。小まめにチェックして、汗をかいていたら、タオルで汗を拭く、清潔な服に着替えさせるなどしましょう。

 また、外で遊び回った後はシャワーを浴びて汗を流すなど、年齢や状況に合わせて皮膚に汗や汚れが残らないようにしましょう。


●汗をかくことを制限しないで
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学講座
准教授 松本 志郎

 汗には、体温調節を行う重要な働きがあります。

 小児期は体温調節の学習時期とされており、汗をかきにくい人は熱中症になりやすくなります。汗をかかないように外遊びを制限したりするのではなく、汗をかいたらしっかり拭いて乾燥させること、室内では適切にクーラーを使うこと、などが大事でしょう。大人ができるだけ正確な知識を持って対応することが重要です。

 あせもができてしまい、かゆみが強い、あるいは治りが悪い場合は、必ず皮膚科医か小児科医に相談しましょう。適切な治療や他の病気との判別が必要です。