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「あれんじ」 2019年5月11日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第77回】「やる気の出る外来を目指して」

女性医療従事者によるリレーエッセー

【第77回】「やる気の出る外来を目指して」
熊本田崎クリニック
副院長
西岡 裕子

 昨年の7月に熊本市西区にクリニックを開院し1年近くになります。私の専門は糖尿病内科なので、糖尿病を中心とした生活習慣病の方がよく来られます。

 お薬もさまざまありますが、生活習慣病だけに結局のところ、運動習慣をしっかり持っているか、食生活が乱れていないか、など生活習慣が一番大事になるのです。

 外来でそういう話になると、だいたい「分かっちゃいるんですけど…」というような反応が返ってきます。この情報化社会にそういう情報を知らない方はほとんどなく、「知っているけどできない」「なかなかやる気が出ない」というのが問題のようです。ちなみに、「忙しい」もやらない理由として挙がりますが、15分くらいの隙間時間でも運動はできますし、やはりやる気が関わっているようです。

 患者さんのことを言っているようですが、これは私自身にもそのまま当てはまります(笑)。だから、自分自身も含め外来のテーマは「いかにやる気を上げるか」です。

 この「やる気」には、日本人に低いとされる自己肯定感や自己価値観が関わっています。やる気が出ないときはだいたい自己肯定感も下がり、自分ってダメだな、とか自分のことが好きになれない感覚が伴います。すると成功するイメージも持ちづらく、ますますやる気がなくなります。逆にやる気があるときは、できるような感覚も持ちやすくそれが行動につながります。

 「小さなことでも価値があるところを見つけて、少しでもお互いの自己価値が上がるような外来を工夫したい」。そんなことを思う今日この頃です。