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「あれんじ」 2018年2月3日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
指しゃぶりの影響

Q 指しゃぶりの癖が直りません。歯並びなどへの影響が心配です。

3歳ころまでは様子を見ましょう

 一般的には3歳くらいまでは様子を見て良いとされています。

 実は指しゃぶりは、お子さんがお母さんのお腹の中にいる時(妊娠5、6カ月ごろ)から始まっています。生まれてから母乳を吸うための“練習”の役割があるといわれています。

 また、生まれてから1歳までのおしゃぶりは、手を使った発達の一つ(協調運動を学習し、物の性状を確認したりする)とされています。つまり、成長する上で誰にでも起こる現象で、歯並びにも悪影響はないとされており、様子を見て構いません。

 1歳以降のおしゃぶりも無理には中止せずに、お子さんの発達に合わせて他のものに興味を向けるなどの工夫で対応してみましょう。


4〜5歳以降だと歯並びなどに影響も

 3歳以降になると指しゃぶりが多かったお子さんでも、保育園や幼稚園での遊びの中で社会性が発達するとともに減少します。

 4〜5歳以降の指しゃぶりは歯並びや噛み合わせに影響するとされており、小児科・小児歯科・臨床心理士などのサポートが必要となる場合もあります。かかりつけの小児科や歯科で相談してみましょう。

 環境やストレスが原因のこともあり、昼間よく運動させたり、寝付くまで手を握ってあげたり、絵本を読んであげたり、親子のスキンシップを増やすことで改善することもあります。お母さんと離れたくないのかもしれません。

 絵本は寝てしまうまで読み続けてあげましょう。眠っている間も親の愛情に包まれて休むとされていて、指しゃぶりだけではなく親子関係自体にも良い影響があり、オススメです。


小児科・小児歯科・臨床心理士などのサポートが必要なことも
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野

准教授 松本志郎