肥後医育塾公開セミナー

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平成25年度 第3回公開セミナー『元気に長生き! 「ロコモ対策」』

司会・講師

【司会】
肥後医育振興会常任理事 熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野 教授
遠藤 文夫

    【司会】
    肥後医育振興会常任理事 熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野 教授
    遠藤 文夫

【座長・講師】
熊本大学大学院生命科学研究部 整形外科学分野 教授
水田 博志

演題:《講演@》「ロコモ」って何?
    【座長・講師】
    熊本大学大学院生命科学研究部 整形外科学分野 教授
    水田 博志

    演題:《講演@》「ロコモ」って何?
【講師】
熊本大学医学部附属病院 リハビリテーション部 助教
大串 幹

演題:《講演A》ロコチェックとロコトレのポイント〜実技を交えて〜
    【講師】
    熊本大学医学部附属病院 リハビリテーション部 助教
    大串 幹

    演題:《講演A》ロコチェックとロコトレのポイント〜実技を交えて〜
【講師】
熊本中央病院 栄養科 科長
村岡 まき子

演題:《講演B》食生活で早めの「ロコモ」対策
    【講師】
    熊本中央病院 栄養科 科長
    村岡 まき子

    演題:《講演B》食生活で早めの「ロコモ」対策

セミナーの内容

  第51回肥後医育塾公開セミナー「元気に長生き!『ロコモ』対策」が2月22日、熊本市中央区のホテル熊本テルサであり、約350人が受講した。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社。肥後医育振興会常任理事で熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野の遠藤文夫教授が司会、同整形外科学分野の水田博志教授が座長・講師を務め、「ロコモ」の概念などについて講演。同大医学部附属病院の大串幹助教が「ロコチェック」「ロコトレ」のポイントについて実技を交えて解説した。また、熊本中央病院栄養科の村岡まき子科長がロコモを予防する食事法を紹介した後、受講者からの質問に答える「Q&Aコーナー」があった。

約350人が参加した第51回肥後医育塾セミナー=熊本市中央区のホテル熊本テルサ
来場者からの質問に答える「Q&A」コーナー
@
A
B 講師がロコモ予防の運動を紹介した(@)後、実技を行う参加者たち(A・B)

パネルディスカッション・Q&Aコーナー「あなたの質問にお答えします」

脊柱管狭窄(きょうさく)症のリハビリとして毎日30分ぐらいプールで歩いていますが、効果を期待できますか。
大串 プールでは浮力が働きますので、歩くことが困難な人には有効なリハビリになると思います。ただプールでは重力が掛かりませんので、ロコトレも併せて行ってください。

椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症で治療中です。朝起きたときに腰が痛みますが、動くと痛みを感じなくなります。(62歳女性)
大串 変形性の関節症に一般的に見られる症状です。ロコトレで筋力を高めておくことが大事になります。

骨密度はカルシウム剤や食事で増やせますか。(77歳女性)
水田 骨粗しょう症の薬は、骨密度を増やすものだけでなく、骨の質を高める薬もあります。
村岡 カルシウムだけに偏ることなく、バランスの良い食事を取ることで筋肉も維持し、骨密度の減少を防ぎ、骨の質を良くするよう心掛けてください。

リウマチで体のあちこちに痛みがあります。食事と運動で注意することは何ですか。
村岡 リウマチにより筋肉も減ってきますので、腎臓が弱っていなければ、食事でタンパク質をきちんと取るようにし、ステロイド剤を服用している場合は骨が弱くなることがありますので、乳製品を取るようにしてください。血糖値が高い人は菓子類などの糖分を控えた食生活にする必要があります。一人一人に合った食事はそれぞれ異なりますので、医療機関にご相談ください。
大串 リウマチになると移動能力が低下します。安静にしていると動けなくなりますので、運動を心掛けてください。ただその際は、関節を痛めないよう注意することが大事です。関節の動かし方については、リハビリの指導を受けてください。

右の膝の裏とふくらはぎに激痛がありましたが、仕事を辞めると激痛がなくなり、歩くことに不安がなくなりました。痛みには、脳や精神的なものが関係しているのでしょうか。(73歳女性)
水田 痛みとストレスは無関係ではありませんが、恐らく変形性膝関節症による痛みと考えられます。仕事による負荷が減ったことで、痛みも少なくなったのかもしれません。

こむら返り(ふくらはぎのけいれん)の予防法を教えてください。(63歳女性)
大串 脊柱管狭窄症や変形性膝関節症、または糖尿病である可能性もあります。一般にストレッチを勧めますが、もし朝方に症状が出るときは、就寝中に体液の電解質異常がおきているのかもしれません。ほかの病気が隠れている可能性もありますので、ぜひ医療機関を受診してください。

変形性の足関節症、足首関節の滑液包炎の疑いがあるようですが、特別な治療はしていません。痛みが増してくるようで不安です。(65歳女性)
水田 変形性足関節症の一般的な治療法には、湿布や抗炎症剤の内服などを使う薬物療法、サポーターや装具を着ける装具療法、温熱で痛みを和らげる温熱療法、足の筋力を高める訓練などがあります。手術にも病気の程度により、いろいろな方法があります。専門の先生とよく相談されて、病気の程度に応じた治療を受けられることをお勧めします。