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「あれんじ」 2018年3月3日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
出べそ

Q 子どもの「出べそ」が気になります。そのままにしていて、いいですか。

腸管がはみ出し、へそが突出

 出生後へその緒が枯れて自然に取れた後、おへそが飛び出して見えるお子さんがいます。これを正式には「臍(へそ)ヘルニア」、通称「出べそ」といいます。

 赤ちゃんのおなかの壁は胎児の時に徐々に作られ、へその緒が出ているところが穴の開いた状態で生まれます。この穴はおなかの筋肉の隙間で、出生後にへその緒が退縮するとともに自然に閉じるのですが、閉じるまでに時間を要する(あるいは閉じない)赤ちゃんがいます。ここの皮下に腸管がはみ出してくるためへそが突出し、出べそという状態になります。

 飛び出しているのは腸管なので柔らかく、押さえるとグジュグジュっとおなかの中に戻ります。しかし、泣くなどおなかに圧力が加わると再び出現します。


1〜2歳ごろまで経過を見て

 出べそは5〜10人に1人はいるといわれ、そのほとんどは1歳ごろまでにおなかの筋肉が発達することで隙間が閉じ、見られなくなります。

 出べその状態にしないように穴の部分に綿球をあて、透明のテープを貼る処置をすることがあります。これはあくまで皮膚を伸ばさず、穴が広がらないようにするためで、ヘルニアが治るものではないと考えられます。

 テープによる皮膚障害や圧迫による腸管の血流障害などデメリットもあります。テープでの圧迫は、医師と十分話し合って決めてください。

 1〜2歳ごろまで経過を見ても出べそが続く場合や、それ未満の年齢でも飛び出した腸管が戻りにくい場合は手術が必要です。小児外科のある医療機関を受診してください。


5〜10人に1人はいる「出べそ」 テープでの圧迫は医師と相談を
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野

講師 坂本理恵子